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神奈川県・武蔵小杉にあるお粥屋「粥や佐藤」。台湾で出会ったお粥の味に衝撃を受け、佐藤恭史さんが始めた温かなお粥屋さん。元スナックだった店内は、その面影を残しつつ、子連れの家族や女性客の楽しげな声が響く空間となっている。そんな粥や佐藤、店主佐藤さんのお粥作りへの想いに迫った。

バンド活動からお粥屋へ。まったくの異業種に通じる信念とは。

ー粥や佐藤さんでは、どんなお粥を出されているのですか?

天然出汁で炊いたお粥をご提供しています。メインは、島根県の原木干し椎茸と干しエビの戻し汁を使った「しいたけ肉粥」。実は、プライベートで訪れた台湾でお粥を食べて、衝撃を受けたことからお粥にのめり込んでいったんです。
台湾で食べたお粥は出汁がきいていて、中に肉や椎茸が入っているものでした。それまでお粥ってお母さんが作ってくれるお湯で炊いて梅干しが乗ったものっていうイメージしかなくて。僕が食べていたお粥とは全然違うし、出汁を使ったお粥って面白いなって思ったことがお店をスタートするきっかけです。


ーお粥って日本の食べ物というイメージがあったのですが、台湾でも食べる文化があるのですね。

そうですね。周りにいた台湾の方々も朝からお粥を食べていて、その状況にカルチャーショックを受けました。お店で出しているものは、いわゆる中華粥です。日本の一般的なお粥と比べて出汁がきいているのがポイントですかね。最初は見よう見真似というか、台湾で食べたお粥のイメージと調べた内容を元に作っていました。そもそも出汁っていうのは、日本人の感覚にあっているものだと思っていて。どういう出汁を使うのか、どういう風に出汁をとるのか、で風味が変わってくるんですよ。そんな天然出汁でお粥を炊くことでいろんなことができるんじゃないかなって思ったんです。

ー石川のお米を使った冷凍粥も作っていただいていますが、石川のお米はどうでしたか?

とろっとしたお粥の方が美味しいと思っているので、今は粘り気があって甘みが強い北海道のお米を使っています。それと比較して石川のお米は、弾力があって1つ1つの粒がしっかり残っている感じがしました。歯ごたえというんですかね。鮮度が良く、新鮮な感じや爽やかな風味のあるお米という印象です。

ーなるほど。お店以外でも「浅草ジンタ」という名前でバンド活動をされているとお聞きしました。

あっ、そうです。これまで音楽にどっぷり浸かった生活を送っていました。東京浅草を拠点に活動する、土着型ロックバンドです。音楽と料理の共通点は、自分のイメージを表に出すところだと思います。どう形にして表に出すか、イメージを具現化するのかという部分が一緒ですね。音楽だと目の前で踊ってくれたり、喜んでくれたりして、お客さんが楽しんでくれているかどうか分かるじゃないですか。同じように食事に関しても「美味しい」と言ってもらえないと意味がないというか、その言葉を引き出すために頑張っている感覚です。

ー最後に、音楽とお粥、ジャンルの違うことを経験してこられた佐藤さんの仕事に対するポリシーを教えてください。

自分がいいと思ったものをその通りやる、当たり前のことを当たり前にやることです。たとえば、手間がかかってしまうけど、市販されている出汁を使わずに天然の出汁を抽出して使うこと。今となっては便利な時代になりましたが、天然のものを使うことは当たり前のことだったはずなので、それをいかに大変に思わずにできるかなんだと思います。
あと、台湾に行ったときにお粥屋の方からもらった言葉を大切にしています。それが「私はレシピを持ってない。これ全て経験」という言葉です。その方も異業種からお粥屋を始めたらしく、経験してきたことで今の味があるからあなたもそれをやりなさい、と伝えてもらったと思ってます。

この言葉を胸に今後も「美味しい」と言ってもらえるお粥を作っていきたいです。


粥や佐藤
神奈川県川崎市中原区小杉町3-442-3都月ビル2F
TEL 044-299-7779

営業時間(定休日 : 月・火曜 ※祝日営業)
イートイン 10:00〜17:00
テイクアウト 10:00〜19:30
デリバリー 10:00〜19:30

粥や佐藤 Instagram
https://www.instagram.com/kayuyasato/

粥や佐藤 STORES
https://kayuyasato.stores.jp/

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